上演記録

サド侯爵夫人(2024)

2024年11月30日(土)・12月1日(日)

銕仙会能楽研修所

 

作:三島由紀夫 

演出・美術:篠本賢一

 

出演:篠本賢一(ルネ)

   坂本容志枝(モントルイユ夫人)

   花柳妙千鶴(シミアーヌ男爵夫人)

   神保麻奈(サン・フォン伯爵夫人)

   杉村誠子(アンヌ)

   鵜沢久(シャルロット)

 

音楽:多田彩子(二十五絃箏)

  

音楽監修:本間貴士 

照明:高良康成 

衣装:細田ひな子

ヘアデザイン:松元未絵

舞台監督:服部寛隆

演出助手:渡会りえ

チラシ写真・舞台写真:宮内勝 

チラシデザイン:Nono-type 

舞台映像:内田誠

協力:アトリエそら 劇団うつり座 遊戯空間 西村高夫(観世流能楽師シテ方)

制作:滝北典子

企画・主催:プロジェクト榮

 

三度目の『サド侯爵夫人』(パンフレットより)

 

かつて「ヒデオゼミ」という故観世榮夫のもとで能を学ぶ会があった。それは師が亡くなるまで17年間続いた。そして、2018年7月、「ヒデオゼミ」で学んだ者たちや、師に関わりのある俳優、アーティストが集まり、ここ銕仙会能楽研修所で「観世榮夫十三回忌」を催した。師が存命だったころは、当たり前のように立っていた能舞台で、久しぶりに謡い、セリフを発した。その時、なんとも言い難い不思議な感覚におそわれた。現代演劇の場で活動する者にとって敷居の高いはずの能舞台が、まるで故郷のように居心地がよかったのだ。檜の香り、声の響き、足裏に感じる板の感触、舞台から見た風景、ここは私にとって故郷のような場所だったのだ。それを感じたのは私だけではなく、今回共演する坂本も、妙千鶴も同じだったという。……能『藤戸』『安達原』『隅田川』、さらに鏡花の『歌行燈』『日本橋』、シェイクスピアの『マクベス』……。 榮夫師との厳しくも懐かしい稽古の日々。そんなことを思い出しているうちに、もう一度、銕仙会の舞台に立ちたい、そんな思いを抱いて「プロジェクト榮」を立ち上げ、2021年、22年、『サド侯爵夫人』を上演した。幸い好評をいただいたが、芸に終わりはない。さらなる向上を目指し今回の舞台を企画した。シャルロット役は、ここ銕仙会の能楽師、観世流シテ方の鵜沢久さんに参加して頂いた。さて、どんな舞台ができあがるか。

 

 

今年の新年早々、これまで衣装とヘアメイクで多大な協力を頂いていた細田ひな子さんの訃報が届く。今回はひな子さんへの追悼の想いも込めて舞台に立ちたい。                      

篠本賢一

 

 

 

 


サド侯爵夫人(2022)

 

2022年11月5日(土)6日(日)

銕仙会能楽研修所

 

作:三島由紀夫 

演出・美術:篠本賢一

 

出演:篠本賢一(ルネ)

   坂本容志枝(モントルイユ夫人)

   花柳妙千鶴(シミアーヌ男爵夫人)

   神保麻奈(サン・フォン伯爵夫人)

   杉村誠子(アンヌ)

   道場真里(シャルロット)

 

音楽:多田彩子(二十五絃箏)

  

音楽監修:本間貴士 

照明:高良康成 

衣装:細田ひな子

舞台監督:田中新一 

チラシ写真・舞台写真:宮内勝 

チラシデザイン:Nono-type 

舞台映像:観劇三昧舞台撮影所 

協力:山中湖文学の森 三島由紀夫文学館 (有)創新企画 THEATRE-THEATER  アトリエそら 西村高夫 鵜沢久 湯原摩子 

企画:プロジェクト榮 主催・制作 一般社団法人遊戯空間

文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業 

 

※喜多村千尋は体調不良により降板しました。


★「テアトロ」誌 2023年2月号にて「2022年の演劇」ベスト5に選ばれました。

 

これは、18世紀のフランス革命前後、サド侯爵を取り巻く6人の女性によって繰り広げられる言葉、言葉、言葉の劇である。昨年、その圧倒的な言葉の四海を能舞台という何もない空間で再現しようと試みた時、あたかもそれは見渡す限り群青の水平世界をゴムボートで漂流するかのような孤独に見舞われたのだった。冒険者は生死をかけた挑戦を繰り返すという。昨年に続く今回の再演は、そういった演者の快楽が潜んでいることは否定できない。能舞台は、命の燃焼を目撃する場だと常日頃考えている。見所(客席)からの眼差しが舞台上の役者らに注がれた時、私たちの「現代能」が産声を上げる。  篠本賢一(チラシより)


サド侯爵夫人(2021)

20211211日(土)・12日(日)

銕仙会能楽研修所

 

作:三島由紀夫 

演出・美術:篠本賢一

 

出演:篠本賢一(ルネ)

   坂本容志枝(モントルイユ夫人)

   花柳妙千鶴(シミアーヌ男爵夫人)

   神保麻奈(サン・フォン伯爵夫人)

   杉村誠子(アンヌ)

   道場真里(シャルロット)

 

演奏:多田彩子(二十五絃箏) 

 

音楽監修:本間貴士

所作指導:清水寛二(観世流能楽師)

演出協力:和合大地

照明:高良康成

衣装:細田ひな子

舞台監督:小田史一

チラシデザイン:Nono-type

チラシ写真・舞台写真:宮内勝

舞台映像:観劇三昧

協力:(有)創新企画 劇団櫂人 THETRE-THEATER アトリエそら 西村高夫 廣岡凡一 高岩明良  

主催・制作: 一般社団法人遊戯空間 

 

助成 ARTS for the future!  

 

 

「アルフォンスは私だったのです」

 

観世榮夫(1927-2007)の指導する「ヒデオゼミ」で能メソードを学んだ篠本賢一、坂本容志枝、花柳妙千鶴が中心となり、2019年「プロジェクト榮」を結成、日本戯曲の最高峰『サド侯爵夫人』に挑戦する。女性6人の登場人物のうち、サド侯爵夫人ルネを男性篠本賢一が能面をつけて演じ、その行動のミステリアスな部分を能面特有の中間表情で表現してみたい。また、男性がルネを演じることで、能『井筒』でシテの女が、恋する男の衣を身にまとうという性の混然一体感覚のようなものを浮かびあがらせたいとも考えている。能『葵上』など源氏物語の宮廷世界を描くこともある洗練された高貴な空間、能舞台で、フランス貴族の世界を重ね合わせて西洋と東洋の文化を衝突させ新たなイメージを現出させたいと思う。  演出 篠本賢一